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広島市医師会千田町夜間急病センター開設半年をむかえて
1.はじめに
 広島市医師会千田町夜間急病センターの診療開始は、まだ寒さの残る平成21年3月23日でした。その日は、私も内科の診察を受け持ちましたが、初日という緊張感とともに、長い間検討を続けてきた急病センターが実際に動き出した喜びをひしひしと感じていました。まるで昨日のことのように思いだせるその日から、早いもので、9月末で急病センターは開設半年をむかえることができました。
これまで、大きなトラブルもなく順調に運営できたのも、一重に会員の皆様のおかげでございます。特に、出務にご協力いただいている約450名の方々には、執行部一同、心から感謝しております。誠に有難うございます。
2.患者の受診状況について
 さて、これまでの半年間を振り返り、患者状況等について皆様にご報告申し上げます。
 まず、患者数についてですが、1日平均患者数は図1のとおりです。内科は6,7月に減少しましたが、8月、9月と順調に増加しています。9月の1日平均患者数は過去最高で16.6人でした。ただし、広島市の患者想定数は27人ですので、もう少し患者数が増えてほしいと思います。一方、眼科は、広島市の患者想定数6人をほぼ毎月超えています。最も多かったのが7月で8.0人でした。
 また、これまでで最も患者数が多かったのは、内科が9月20日(日)の38人、眼科が6月27日(土)の16人です。
 曜日別患者数については、図2のとおりです。内科、眼科ともに祝日が最も多く、次いで土曜日が多くなっています。
 疾患については、内科は5月から9月までは最も多い疾患はインフルエンザ(疑い含む)です。その他多い疾患は、急性胃腸炎、急性気管支炎、急性咽喉頭炎、扁桃腺炎等です。眼科は、3月から9月まで結膜炎、角膜炎が最も多く、その他多い疾患は、結膜異物、角膜異物、角膜びらん、結膜びらん、眼球打撲、結膜下出血等です。
 患者数につきましては、10月1日から広島市医師会のホームページの広島市医師会千田町夜間急病センターのページに、「当センターの利用状況」として掲載しておりますのでご参照ください。
 急病センター開始後の広島市民病院救急診療部の準夜帯の患者数については、図3のとおりです。4月から7月は昨年度の患者数よりも減っています。8月は昨年度よりも増えていますが、これは新型インフルエンザの影響だと思われます。まだ、市民への認知が不足している部分もあり、「夜間は広島市民病院へ」という気持ちが強いかもしれません。しかし、今後、少しずつ急病センターの存在が認知され、現在、広島市民病院に受診している準夜帯の軽症患者が急病センターに受診するようになっていくのではないかと思っています。
3.出務についてのアンケート結果
 6月5日から9月末まで出務いただいた先生方にアンケートにご協力いただきました。
 「働きやすかったですか」という問いには、内科、眼科ともに95%の方が「はい」と回答されています。
 「やりがいを感じましたか」という問いには、内科では「はい」が52%、「どちらとも言えない」が39%、「いいえ」が9%でした。眼科では「はい」が66%、「どちらとも言えない」が23%、「いいえ」が11%でした。その理由として、「患者が少ないのでやりがいは感じなかった」という記載が内科、眼科ともに複数ありました。その他の理由では、「インフルエンザの検査ばかりしていた」「救急受診の必要がない患者が数人いた」というものがありました。
 「スタッフの対応は良かったですか」という問いには、内科99%、眼科100%の方が「はい」と回答されています。スタッフ一同、さらに努力してまいりたいと思います。
 「患者の態度で困ったことはありましたか」という問いには、内科92%、眼科94%の方が「いいえ」と回答されていますが、内科5%、眼科2%の方が「はい」と回答されています。その内容としては、内科では、「以前の交通事故が原因で、関節痛と発熱がある患者が来て困った」「連日来ている人がいる」「大腸内視鏡を依頼された」「喘息治療をきちんとするよう勧めたが、吸入薬のみ求めて説明を聞こうとしなかった」等がありました。眼科では、「精神科疾患を有すると思われる患者がいました」「子どもさんが泣きやまず、診察が困難なときがあった」「小児が多くて驚いた」等がありました。
 「仕事はきつく、疲れましたか」という問いには、内科では「はい」が8%、「どちらとも言えない」が20%、「いいえ」が72%でした。眼科では、「はい」が5%、「どちらとも言えない」が21%、「いいえ」が74%でした。
 その他自由記載の部分では、薬の要望や後方支援病院、市民への広報等について、様々なご意見をいただきました。これらについて、1つ1つ広島市医師会千田町夜間急病センター運営部会・運営委員会で対応について検討しました。今後、出務の際に感じられたご意見・ご要望がございましたら、看護師に言っていただければ部会・委員会等で検討いたしますので、よろしくお願いいたします。
4.患者へのアンケート結果
9月3日から患者へのアンケートを実施しています。内容は、「急病センターを何で知りましたか」と「お気づきの点」について書いていただいています。
 急病センターを何で知りましたか、という質問の回答では、各医療機関に置いていただいているパンフレットが最も多く、次いでマスコミ、家族、ポスター、知人の順です。
 また、「お気づきの点」に書かれたご意見の一部を紹介しますと、「とても心強いです!!」「先生、また病院のスタッフの皆様、助けていただきありがとうございました。先生、私の話をよく聞いていただき、ありがとうございました。満足な気持ちで、明日は病院に行きます。」「待ち時間が短くて、皆さん親切で感じが良かった。」「小さな子どもにも親切で、とても嬉しかったです。」「夜間だったので、舟入病院へ行ったら、土日は小児科のみに変わっていました。受付でこちらのセンターを案内していただき、知りました。以前より舟入病院がパニック状態だったことも感じており、舟入病院でアンケートも書いた覚えがあります。こちらが新しくオープンしてスムーズに受診でき有難いです。」「丁寧に良く説明してくださり、精神的にとても安心できて、受診して良かったと思いました。」「夜間に診察してもらえるのは、とてもいいと思います。お仕事大変だと思いますが、よろしくお願いいたします。」など、感謝の言葉が多く書いてあります。夜遅くまで診察するのは大変ですが、市民の助けになっているのは大いに励みになります。
5.終わりに
 これからインフルエンザの流行期をむかえ、さらに忙しくなっていくと思いますが、今後とも、会員の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。(中西 幸造)

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